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2006年4月24日 (月)

とんでも戦士ムテキング

 かつて光GENJIというアイドルグループがいました。
彼らはローラースケートに乗りながら歌うという、前代未聞の一風変わった
パフォーマンスで、瞬く間に人気アイドルになりました。
今考えると、いい歳した青年がローラースケートに乗って歌うだなんて、
こっ恥ずかしい限りで、なんでこんなのがウケたのかさっぱり分からないのですが、
当時の彼らの人気と言ったら、それはもう凄いもので、
彼らの人気に比例するかのように、ローラースケートもバカ売れしました。

 しかし、皆様はご存知でしょうか?
ある1人のヒーローが、既に七年前に光GENJIがいた場所を通過していたことを。
そう、そのヒーローの名こそが、『とんでも戦士ムテキング』なのです。

 ローラースケートに乗りながら、ビームサーベルみたいな武器を振り回し、
地球征服を企む悪の宇宙人、クロダコブラザーズと戦うその勇士に、
幼い頃の私は「かっこいい」などとは微塵も思いませんでしたが、
他の部分で目を引かれるものがあったことを漠然とながら覚えています。

 まず、この作品の最大の特徴は、「これって日本のアニメなのか?」と
思えるくらい、アメリカンテイストに溢れているということ。
全体的に見て作画もそうなのですが、登場人物がどう見ても日本人には見えません。
おまけに、主人公の家族は家の中でも平然とローラースケートを履き、
当然のごとく、それで移動しているのです。

 そのいかにも嘘っぽいアメリカンな生活スタイルに、まだ子供だった私は
ムテキングよりも遥かに、「なんかかっこいい」と思えました。

 しかしそれでも、このアニメによりローラースケートが流行ることはなく、
実際に流行りだしたのは、7年後の光GENJIが世に出てからのことだった
のですから、当然私はこの事態を冷めた目で見ると同時に憤慨しました。

 「ケッ、何を今更。おめーら『ムテキング』観てなかったのかよ」
 「キサマらのいる場所は既に我々が7年前に通過した場所だ!」と。

 そういう点で、このアニメは時代を先取りしていたとも言えるでしょう。
そしてもう一点、このアニメには特筆すべきところがあります。
それは、敵の宇宙人と主人公側が引越しをしたということです。

 誰しも子供の頃、アニメや特撮に出てくる悪の組織を見て、
「なんで地球を征服するのに日本に来るんだよ!アメリカとかに行けよ!」
等と思ったことがあることでしょう。
さらに、「なんで毎回毎回失敗してるのに、場所を変えようとか思わないんだよ」
とも思ったことはないでしょうか?

 そうです、このアニメは、敵の宇宙人が一向に捗らない地球征服をなんとか
成就させるために、ムテキングのいない地域から侵略をはじめようと、
拠点を変えたという非常に稀なアニメなのです。
もっとも、その後主人公側も親父の仕事の都合で(かどうかは分からんが)、
同じ地域に引っ越してきた為、結局は元の木阿弥に戻ったのですが……。

 しかしながら、これは昔のアニメはおろか、現在のアニメにおいても
中々お目にかかれないものなのではないでしょうか?
そう考えると、この作品は非常に歴史的資料価値のあるアニメなのかもしれません。

 『とんでも戦士ムテキング』
知る人ぞ知る隠れた名作でありながらも、時代の影に埋もてしまった悲しき作品…。
しかし、彼こそがローラーヒーローの先駆けであり、光GENJIなぞ二番煎じ
でしかないということを、どうか皆様の記憶の片隅にでも残していただきたいと
願わずにはいられない今日この頃です。

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