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2006年5月 7日 (日)

東京幻想~J影虎東京編~寝台車には乗るべきじゃない

 異変に気付いたのは、17時20分を過ぎた頃だった。
17時10分発の東京行きの寝台車がまだ来ない。
最初は遅れているのかとも思った。
実際、私が鳥栖まで乗ってきた電車は2分遅れていたからだ。
しかし、30分ほど前に、電光掲示板で17時10分発の寝台車を確認して以来、
それらしき電車は見なかったし、見落としもしていなかった。
しかも、電光掲示板に表示されていた東京行きの便はいつの間にか消えている…。
これはただ事ではない!
そう思った私はすかさず駅員に問い詰めると、なんか地震の影響で鳥栖には来ない
とかなんとか、そんなことをしどろもどろに言うではありませんか。
じゃあ、どうしたらいい?
苛立ちを含んだ口調で訪ねると、博多まで行って、そこから新幹線に乗って山口まで
行き、そこから東京行きの寝台車が出るので、乗り換えてくださいとのことだった。

 まったく、なんてこったい。
幸い、東京行き山口発の寝台車の時間まではまだまだ余裕がある。
が、こうも乗り換えなければならないというのはいささか気に入らない。
これではうかつにPSPも出来ないではないか。
私はそう思いながらも、従うより他ないので渋々従うことにした。

 こうして約2時間後。
私はついに東京行きの寝台車に乗ることが出来た。
しかし、そこでもまだまだトラブルは続く。

 そもそも、なぜ私が寝台車を選んだのかと言うと、これはただ単にのんびりとした旅行
を味わいたかったからだ。
電車に揺られて、PSPをしたり本を読んだり睡眠を取ったりしながら、東京に着くまで
ダラダラと時を過ごす……。
そんな電車の旅を思い描いていたのだ。

 しかし、そんな私の淡い期待は程なくして完膚なきまでに叩き壊されることとなった。
まず、電車に乗って気付いたのは、通路が恐ろしく狭いことである。
おまけに、座席(と言ってもベッドであるが)ときたら、上段・下段に2つずつ配置されて
おり、しかもこれを仕切るのは一枚のカーテンのみ。
私は上段のベッドなので、下段のベッドに腰掛けているおっさんに、
「ちょっと通らせてください」と言って、はしごを登りました。
するとどうでしょう。
そのおっさんときたら、うっとおしそうな目でこちらを見てるではありませんか!
もちろん、私もにらみ返してやりました。
いきなり、一触即発、ガンのくれ合い飛ばし合いです。

 しかし、その後もそのおっさんの執拗なガン飛ばしは続いたのです。
私も上段であることを利用し、思いっきり見下ろし…いや、見下すような視線を送って
徹底抗戦しました。
もちろん、それ以上のことは互いに一切やってません。
その辺はお互い大人ですから。
もっとも、いい歳した大人はこんなことしないものですが。

 まあ、そんなこんなでしばらくの間、こう着状態が続いたのですが、
ここで困った事態が発生しました。
着替えたくなったのです。
しかし、先程からおっさんの執拗なガン飛ばし攻撃は続いてるので、
ここで着替えると、モロ見えです。
別に見られても構わないと言えば構わないのですが、婿入り前の私の柔肌を
こんなチンピラ崩れのおっさんに見せてしまうというのも癪にさわります。
かと言って、カーテンをピシャッと閉めてしまうと言うのも、なんか女々しい奴だと
思われてしまいかねません。
そこで私は、カーテンを開け閉めし、「ふ~ん、こうなってるんや~」とか言い、
半分ほど閉めたところで、さっそうと着替えを済ませたのです。
こうなると、もうあのおっさんに構ってる必要はありません。
私はカーテンを全部閉めてしまうと、仰向けに寝転がり、いつも自宅でやるように
PSPの『幻想水滸伝Ⅰ』をプレイし始めました。
ようやく、PSPを有効活用させられる。
ここまでの道のりは長く、犠牲も大きかった……。
私はシミジミとこれまでの辛い日々のことを思い出すと、これから踏み出す輝かしい
ひと時をじっくりとかみしめることにした。

 ……2分後。
悲劇は唐突に起こった。

 気持ち悪っ!!!

そう、気持ち悪いのだ。
それと言うのも、この電車揺れ過ぎ!

 そりゃ酔うわ!
まだ酔ってないけど、そんな感じになるわ!

 私はすぐさま起き上がり姿勢を正した。
そう、寝転がってやってるからダメなのだ。
いささか不本意ではあるが、しゃんとした姿勢でプレイすれば大丈夫なはず。
私はそう信じ、再びプレイ再開した。

 ……2分後。

 気持ち悪っ!!!!

ダメだ。これ以上プレイ続行するのは不可能だ。
私は泣く泣く断念することにした。
そしてこうなってしまった以上、『涼宮ハルヒの憂鬱』を読むしかない。
いささか不本意ではあるが、私は読み始めることにした。

 ……2分後。

 気持ち悪っ!!!

やっぱり、気持ち悪いのは変わらない。
それと言うのも、この電車揺れ過ぎ!

 そりゃ酔うわ!
まだ酔ってないけど、そんな感じになるわ!

 私はすぐさま起き上がり姿勢を正した。
そう、寝転がってやってるからダメなのだ。
いささか不本意ではあるが、しゃんとした姿勢で読めば大丈夫なはず。
私はそう信じ、再び読み始めた。

 ……2分後。

 気持ち悪っ!!!!

ダメだ。これ以上読み続けるのは不可能だ。
私は泣く泣く断念することにした。

 って、もうええわ!
寝る!
私はふてくされて寝ることにした。
これで眠れないなんてことになろうものなら、それこそ目も当てられないのだが、
幸いにも、どんな状況でも眠れてしまうという特殊能力が私にはあるので、
程なくして私は眠りにつくことが出来た。
もっとも、寝心地はお世辞にも良いとは言えなかったが……。

 こうして、東京への旅一日目の夜は静かに過ぎていったのでした。

                         つづく

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