東京幻想~J影虎東京編~ライブの裏で……
熱き魂のライブはなおも続く。
だが、さすがの私もそろそろ限界が近づいてきた。
足は痛いわ、腰は痛いわ、喉渇くわ、腹は減るわ………。
それに、私には他にやることがあるのだ。
いささか不本意ではあるが、ここは外出自由という主催者の粋な計らいに大いに
甘えさせてもらおう。
そう思うが早いか、私は無善寺を跡にした。
そう、私にはやることがある。
そしてそれは可及的速やかに行わなければならない。
慌てずあせらず急いでやれ!
とかなんとか、『宇宙戦艦ヤマト』の誰かが言ってたなあ。
そんなことをぼんやりと考えながら、私は足早に駅へと向った。
私のやるべきこと、それは何のことはない、帰りの電車の手配をすることだ。
ゴールデンウィークも残すところあと2日。
帰省ラッシュに巻き込まれたりするのは嫌なんで、こういうことは早めにやった方が
いい。
そう思ってのことだが、そこで私は驚愕の事実を駅員から聞かされる。
なんと、寝台車より新幹線の方が安いのだそうだ。
知ってましたか、奥さん?
って、え~なにそれ?
ただでさえ、寝台車の方が新幹線より遥かに遅く、時間もかかるというのに、
その上料金も高いとあっては、それこそ寝台車いらねーじゃん。
おまけに、(PSPが出来ない程に)揺れは酷いし寝心地悪いし……。
って言うか、そんな豆知識よりも、あれだけの惨劇を経験しておきながら、
この期に及んでまだ寝台車で帰ろうとか思っていた自分にビックリですわ。
しかも、今日泊まる宿すらまだ決めていないのに、明日帰るための新幹線の手配を
しているオレは、なんてロックなんだろう!
私はそんなアホなことを一瞬考えてしまった。
だが、即座に「けど、これってほんとにロックか?」と、急激に自信喪失してしまう。
ライブに来ている人達に聞けば答えは分かるかな?
な~んてことも考えてしまうが、なんとなく、「そんなものはロックじゃねえ!」とか
怒られそうな気もしたので、このことは私の心の中にそっとしまっておこう。
うん、それがいい。
と、勝手に自己完結しつつ、明日の新幹線の手配が無事済んだことに、
取りあえずはホッとした私であったが、この時重大な見落としをしていたことに、
私はまだ気付いていなかった。
つづく
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