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2007年9月21日 (金)

るろうに剣心レビューその弐 志々雄真実はホンマに強かったのか?

 いや、強かったんでしょうけどね。
それは分かりますよ。
一度は剣心を倒し、斎藤一をも言い訳のしようもないくらい完膚なきまでに蹴散らし、
左之助の二重の極みを喰らっても全くのノーダメージ……。
強いか弱いかで言えば、「強い」部類に入るのはまず間違いないんですが、
それは志々雄真実個人の強さであって、剣客として、また剣術においてはどうなのか?
と考えると、釈然としないことが色々と出てくるんですね。

 まず第一に、例によってまたもや私の友人の疑問なのですが、
当時、京都編が終わろうとしている頃、彼はポツリと口にしました。

宗次郎の方が強かったんじゃね?と。

この意見に私は全く同感でした。
確かに、実際に志々雄と宗次郎が戦ったとしたら、どちらが勝つかは分かりません。
また、人によっては志々雄の方が強いと思う方もいらっしゃることでしょう。
 しかし、私にはどうしてもそうは思えないんですよ。
少なくとも剣の技量、剣客としての強さで言えば、宗次郎が上だったと思います。
なぜなら、志々雄の戦い振りを見るに、剣の技量、腕前がどうのこうの言う以前の
問題だったような気がするからです。

 順番に振り返っていきますと、まず「第一の秘剣 焔霊」
志々雄が剣心に初めてこの技を浴びせた時、
「斬る」と「焼く」を同時に食らった気分はどうだ?
とか得意気になっていましたが、これって単に、
今まで斬った人の脂が染み付いている「無限刃」のノコギリのようなギザギサの
刃先を、鞘や地面との摩擦熱で発火させているだけであって、
特段、志々雄真実が凄いわけでもなんでもないですよね?
いや、器用だなあとは思いますけどね。
でも、こんな風に一々鞘や地面に擦り付けるより、ズバッ!と直接斬りかかった方が
遥かに効率が良いように思えるのは気のせいでしょうか?
多分、宗次郎相手にこんなことしていたら、その間に5回は斬られていると思います。

 まあ、そうは言っても剣心は斬られてるんですけどね(笑)。
でもそこはホラ、あの人って割と義理堅いと言うか律儀じゃないですか。
実際、「焔霊」を食らう直前まで、彼はジッと目で追ってるんですよ。
で、斬られてみて「読めたでござる。焔霊の正体が」とか言って、
金田一少年みたく、謎解きの解説を始め、一同はそれを黙って聞いていたものだから、「なんだ、この茶番は」と思うと共に萎えもしました。
しかし、そんなのはほんの序の口に過ぎなかったのです。

 志々雄真実の噛み付き攻撃
ものっそい萎えましたね。
おそらくは、志々雄の底知れぬ強さと恐ろしさを表現しようとしてのことでしょうけど、
当時のこの時期、週刊少年チャンピオンで連載中だった『グラップラー刃牙』でも、
ジャックハンマーが三崎健吾との戦いで噛み付いていたため、
やはりどうしても被ってる印象が拭えず、余計に萎えました。
また、噛み付く方も噛み付く方ですが、噛まれる方も噛まれる方です。
剣で斬り合いしてる最中、相手に噛まれるって、あり得ますか?
って言うか、はたしてそんな人歴史上存在するのでしょうか?
そういう点においては、志々雄真実は凄いと言えるのかもしれませんが、
そもそもこれって、剣術とは全然関係ないからね!

 そして関係ないと言えば、もう1つ。
「第二の秘剣 紅蓮腕」
これこそ、剣の腕前とか全然関係ありません。
ただ単に手甲に仕込んだ火薬を爆発させるだけ。
どこが秘剣なんだよ!と。
それに、なんでおめえの手は無事なんだよ!
と、小一時間ほど問い詰めたいものです。
 しかも、剣心に一発、斎藤に一発食らわせ、両手の火薬入りの手甲を切らした後、
このガキ何をしました?

 当時私は、冗談で言ってたんですよ。
これで、志々雄が「タイム」とか言って、スペアの火薬入り手甲を着用したりしたら
笑えるよなあと。
すんません、全然笑えなかったです。
さすがに「タイム」とは言いませんでしたが、本当にスペアを取り出してるんですから。
もう、なんじゃいそりゃ!
たいがいにせえや!と思わずにはいられませんでした。

 本当にこいつは人斬りなんだろうか?
いよいよもって、彼の存在そのものに疑問を持ち始めた時、
ようやく彼は人斬りにして剣客らしい行動に出たのですが、
それも意外な結果に終わるのでした。

 終の秘剣 火産霊神(カグツチ)
不発でしたからよく分かりません。はい。

 以上、志々雄真実の剣技を中心とした戦い振りを振り返ってまいりましたが、
やはり剣の腕に関してはさっぱり分かりません。
分かっていることと言えば、左之助の二重の極みを食らってもなんともなかったことや、
剣心の連続攻撃を食らってもピンピンしていたこと………
つまり、志々雄真実は物凄くタフだったということくらいしか分かりません。

 しかし、これだけタフだったにも関わらずですよ、彼は最後……。
…ホラ……燃えちゃった…じゃないですか。
『あしたのジョー』のラストみたいな比喩的な表現でなく、文字通りの意味で。
なんだったんでしょう、これは。
しかもですよ、方治が「ついに志々雄様が限界を超えられたー」
とか言った矢先の出来事だったでしょ。

 完全にギャグ漫画の世界じゃないですか。
オレは今、猛烈に燃えてるぜぃ~
と言ってる最中、背後のイメージイラストの炎が本当に体に着火し、
「アッチチチー」と飛び回ると言う、前世紀…それも70,80年代にありがちだった
典型的なギャグ……。
 しかし、こういう場合、大抵は本当に限界を超えてパワーアップをするところを
こんな風に強引とも思える展開で、一気に終わらせてしまった和月先生は、
ある意味凄い方なのかもしれません。
 まあ、和月先生は漫画家としてプライドが相当高いらしく、
四乃森蒼紫についても、読者からの「どうせ仲間になるんでしょ?」みたいな便りに
憤慨した為、あえて敵キャラとして再登場させ剣心と再戦させたそうですからね。
志々雄が燃えちゃったのも、単にバトル漫画にありがちな「安易なパワーアップ」を
描きたくなかったからなのかもしれません。
とは言え、先程述べた「噛み付き」がジャックハンマーと被っていたのと同様に、
この「志々雄が由美と共に燃え尽きてしまう」というのも、当時人気を博していた
『パラサイトイブ』という映画のラストと酷似していたため、なんだかなあ~と思った
ものですが……。

 しかしながら、このような超展開で幕を閉じながらも、
蒼紫が「幕末の炎から生まれし修羅が再び炎へと還っていく」とか
「時代が緋村を選んだのだ」だとか言って上手いこと締めてくれたため、
普通なら脱力したかもしれないところを、「ああ、凄まじい壮絶な戦いだったなあ」と
思えたのですから、アレはアレで良かったのかな?という気がしないでもありません。

 と言う訳で、散々御託を並べてまいりましたが、
やはり志々雄真実に関しては、人斬りや剣客としてではなく、
あくまで一個人として物凄く強い人だったとしか思えない今日この頃です。

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コメント

う~んどうですかね。
確かに「剣客」(剣客の具体的な定義はよく分かりませんが)としての強さは微妙かもしれませんが「人斬り」としては十分強かったんじゃないですかね。
ただここで私が言いたい「人斬り」の「強さ」というのはルールがきっちり決められている道場でやるような剣術だけの試合での「強さ」とは違います。
つまり「人斬り」の「強さ」とはルールなんて無い命の取り合いである真剣勝負での「強さ」であって、そこにはルールなんて無く、ましてや命の取り合いなんだから噛み付きだろうが目潰しだろうが急所を攻撃しようが物を投げようがとにかく何をやってもいいと思うのですよ。
そしてその何でもありの勝負に勝って相手を殺せるんだったら私は「人斬り」としては十分強かったと言えると思うんですよ。
まぁ大体、実在した幕末の新撰組やら人斬りやらも果たして本当に「剣術」が強かったのかどうかは分かんないですからね。
単に「殺し」が上手かっただけなんじゃないかと思うんですよね。

…というかあれですね。何か志々雄真実が強かったのかどうかという話とは違う話になってしまった気がしますね。
まぁ結局何が言いたかったかというと人斬りに必要な技術とは「剣の技術」ではなく「殺しの技術」であって「殺しの技術」なら志々雄真実は十分持っていたんじゃないかなと、そして「殺しの技術」を十分持っているのなら「人斬り」としては十分強かったんじゃなかなと思うのです。

投稿: 修都 | 2007年9月21日 (金) 16時43分

さすが修都さん。痛いところをついてくるわい。
まあ私も、自分で書いていて「あ~なんか趣旨が違ってきてるなあ~」とは思っていました(笑)。
でも、最初の方で「強い」という結論には達しているわけで、要は気持ちの問題なんですよね。
それを素直に認めるか認めないかの。
 で、私の場合は、素直に認められないんですよ。
それっておめーがスゲーんじゃなくて、刀と火薬が凄いんだろ!と言いたくなるわけですよ。
他のキャラなんて、例えば剣心は「飛天御剣流」という流派なわけだし、宗次郎の場合は「縮地」という剣術の境地とも言える技術が使えるわけで、じゃあ志々雄には何があるの?と言うと、ただ単にものっそいタフなだけ…って話になってくるんですよね。
「志々雄真実がやっているのだ」
「剣術以外の何ものでもない」
と言えるくらいの何か肩書きなり実績なりがあればいいんですが、そういうのも特段ないし……。
確かに強ければ、そして最終的に勝てば良いのでしょうけど、かつて両さんが、警察の剣道大会か何かで「これぞ野良犬剣法だ。何が何でも勝たねばならん」と言ってメチャクチャやっていたのとさほど変わらないような気がするんで、なんだかなあ~と思ってしまうわけです。はい。

投稿: J影虎 | 2007年9月22日 (土) 21時36分

いやはや。ホントに燃えちゃった件では“爆笑”でした。

取り敢えず、影虎さんの中での格は。。。。。

郭海皇>>>志々雄さん

っぽいですね。

確かに剣心さんもそうですが、志々雄さんも結構、相手の攻撃をまともに食らいますよね。この律儀さは。。。プロレスラーみたい。

相手の技は正面から受けとめてナンボ。避けていいなんて夢のようなハナシ。みたいなコト、猪狩さんがいってましたっけ。そういや剣心さんvs志々雄さんって他のバトルと違ってマウントとばさん言うところの“人間力勝負”っぽい感じ。いや〜さすがvsラスボス。ん〜これぞ少年誌。

剣技での志々雄さんの凄さって、ブラ下がった部下の死体を抜刀術で切断、くらいが一番印象的だったりします。
そうですねぇ。普通にみたら、実戦云々コミコミでも宗次郎さんの方に分がありそうな気も。

まぁ、縮地でいくら攻撃しても、

『当たらなければ、どうというコトはない。』

くらいのコトは言いそう。

案外あれですよ。宗次郎さんの瞬天殺食らっても、志々雄さんの丈夫な首は斬れなかったりして。

んで、『ええい!志々雄真実のクビは化け物か!』とか。
失礼しました。

投稿: 舞えばひょっとこ赤っ恥? | 2007年9月23日 (日) 08時49分

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