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2008年7月30日 (水)

適当にピックアップしたキャラから最強を決めよう 番外編 心宿VS赤飛虎 完結編

               心宿 VS 赤飛虎 前回までのあらすじ

赤飛虎の「回顧忘我」の術。。
それは「人の意識を過去の記憶に閉じ込める」という恐るべきものであった。
術中にはまってしまい、絶体絶命かと思われた心宿。
だが、心宿は自力で過去の記憶からの生還をはたし、今まさに怒涛の反撃が
始まろうとしていた。

 【登場人物紹介】

   『ふしぎ遊戯』 陣営

 心宿(なかご)
青龍七星士の1人。リーダー格で最強の実力者。性格はドS。
気功術と念動力を得意とする。

 房宿(そい)
青龍七星士の1人で紅一点。
雷を操り、房中術が得意。
心宿に想いを寄せている。

 角宿(すぼし)
青龍七星士の1人。
流星錘(りゅうせいすい)という武器を駆使する。
心宿曰く、青龍七星士の中で一番の未熟者。

 氐宿(とも)
青龍七星士の1人。
異空間(幻覚)に他者を閉じ込める能力を持ち、鞭も扱う。
派手な隈取りの化粧をしており、男性だが心宿を慕っている。

 箕宿(みぼし)
青龍七星士の1人。
何年も昔から他人の体に憑依しながら魂だけで生き続けてきた存在。
現在は大寺院の法王をしているが、外見は赤子である。
あらゆる邪法に精通し、自らもそれを駆使する。

 尾宿 (あしたれ)
青龍七星士の1人。
一言で説明すれば、人狼。
それゆえ、知性は乏しく、人とのコミュニケーションにも難アリ?
当然、ここでのお話でも空気扱いです。

   『龍狼伝』 陣営

 赤飛虎(せきひこ)
仲達の部下の中でも武神と呼ばれる最強の5人、「五虎神」の1人。
暗示によって人の心を操るのが得意だが、暗示によって己の潜在能力を引き出す
ことも出来る。

赤飛虎:は、放せ!
赤飛虎は珍しく動揺していた。
もし、いつもの冷静な彼女ならば、掴まれた左手に構わず右手に持った刀剣で心宿の首を刎ねていたことであろう。
だが、あせりと恐怖が彼女から冷静な判断を奪い、赤飛虎は今、掴まれた左手を振りほどくことに必死になっていた。
だが、左手を掴んでいる心宿の手はビクともしない。
赤飛虎:(バカな…暗示で潜在能力を限界まで引き出してる私が……引き離せないなんて………。この男、本当に人間……か…)
それどころか、心宿の締め付ける力はさらに強固なものとなり、
赤飛虎:あ…ぅ……
あまりの激痛に赤飛虎は右手に持った刀剣を落としてしまった。
赤飛虎:し…しまった。
今頃になって右手に持っていた刀剣のことに気付く赤飛虎。
だが、もう時既に遅く、心宿は赤飛虎の左腕を掴んだままゆっくりと立ち上がる。
赤飛虎:あ…がっ……
赤飛虎はなす術なく、左腕を捻り上げられ、反転し心宿に背を見せることとなった。
赤飛虎:くっ
赤飛虎の表情にあせりと恐怖が色濃く表れる。
心宿:不様なものだな。
赤飛虎:な…なに…
心宿の一言に、赤飛虎の表情が今度は怒りでみるみる紅潮していく。
心宿:驚き、あせり、恐れ、そして今度は怒りを覚える。おまえ程の者でも、感情というものは抑えられんようだな。
赤飛虎:そ…それが…なんだって…言うんだ…。そんなことは…誰だって…同じことだろ……
捻りあげられる痛みを堪え、赤飛虎は息も絶え絶えになりながり、必死に反論した。
心宿:フッ、そうだな。
心宿はあっさりとそれを認め、そして認めた上で、
心宿:だが私は違う!
きっぱりと断言した。
赤飛虎:!!
心宿:私にはそのような惰弱な感情や、人の心とやらは持ち合わせていない。
その言葉に房宿の表情は暗く曇った。
赤飛虎:人の心……。だからか、回顧忘我の術がおまえに通じなかったのは……。
しかし、心宿は赤飛虎の問いには答えず、
心宿:覚えておけ。感情に支配されるのは愚か者だということを。
もっとも、これから死んでいくおまえにはもはやどうでもいいことだがな。
そう言うと心宿は、左手の掌を赤飛虎の背に当てた。
その瞬間、赤飛虎は背中に心宿の気が収束していくのを感じ取った。
赤飛虎:(不味い!このままではやられる!ならば、かくなる上は………)
ゴキン。
心宿:む……。
それは目にも留まらぬ速さだった。
赤飛虎は捻り上げられた左腕を逆方向に自ら捻ることで左肩の関節をはずし、心宿を正面に見据えたところで、右手で必殺の貫手を心宿の心臓めがけて放ったのだ。
超至近距離からの高速の貫手が心宿の心臓を捉える……。
いや、捉えるはずだった。が………
赤飛虎:あ……ぐ……
それすらも心宿には通じず、赤飛虎の貫手はすんでのところで、心宿に阻止される。
心宿:む…ぅ…。
しかし、それでも戦況は心宿が完全に有利というわけでもなかった。
赤飛虎は貫手を放った右手の手首を掴まれながらもなお、心宿の心臓を貫かんとさらに力を込めた。
心宿もそうはさせまいと、赤飛虎の右手首を掴んだ左手に力を入れる。
両者の力は拮抗していた。
だが、縦からの力と横からの力、利き手である右手とそうではない左手の力とでは、わずかではあるか赤飛虎に軍配が上がったのか、赤飛虎の貫手は徐々にそして確実にに心宿の心臓へと近づいていく。
赤飛虎もよほど必死なのだろうか。それまでのような憎まれ口は一切なく、その表情にももはや余裕の色など微塵もなかった。
だが対する心宿は…………。
笑っていた。
心宿:今の攻撃は中々良かったぞ。さすがは「武神」と呼ばれるだけはある。だが……
そう言ったかと思うと、心宿はくいっとあごを左上に向けた。
まるで、そっちの方を見てみろと言わんばかりに。
赤飛虎はいぶかしげに横目で心宿のあごが指す方を見てみる。
赤飛虎:!!
赤飛虎は驚愕した。
なんと、赤飛虎の右手側には、先程落としたはずの刀剣が宙に浮いているではないか。
そしてその刀剣が赤飛虎めがけて襲い掛かってきたのだ。
赤飛虎:くっ……(これは奴の念動力か……)
だが、赤飛虎は己の首をめがけて斬りかかってくる刀剣に対しても極めて冷静であった。
赤飛虎:(この間合いならかわせる!)
そして赤飛虎は斬りかかって来る刀剣を余裕でかわす……いや、かわしたはずだった。
ところが、そのかわしたはずの刀剣から発した凄まじいまでの衝撃が真空の刃となって赤飛虎の首を捉える。
赤飛虎:なっ…これは…空破山!!一度見ただけで私の奥義を…っ!!しかも念動力で……っ!!
しかし、赤飛虎がその事実に気付いた時はもう時既に遅く、彼女の首は切断されていた。切り落とされた首は地面に落ち、音も無く跳ねたかと思うと、コロコロと転がり、そしてまったく動かなくなった。
この凄惨な光景に、七星士達は心宿が勝ったという事実を未だ実感できないでいるのか、ただただ黙りこくっている。
だが、当の心宿は勝利の余韻に浸るでもなく、もう動かなくなった赤飛虎の首と胴体を交互に見据えていた。
心宿:言ったはずだ。そんな小手先の技、私には通じんと。
心宿がそう言った瞬間、驚くべきことが起こった。
赤飛虎の首が霧散したかと思うと、なんとそこに赤飛虎が現れたのだ

赤飛虎:な…なぜだ…?なぜ…おまえには…重暗示が効かない?あの龍の子さえあざむいた、この私の重暗示が!!
赤飛虎の表情は今度こそ不安と恐怖に歪んでいた。
心宿:フッ…。その龍の子とやらがどれ程の者かは知らんが、私を同じだと思わんことだ。それに、その重暗示とやら、大方一度暗示が解けてもまた別の暗示が働き出す……と言ったところだろうが、忘れたのか?おまえの暗示は一切私に通じていなかったことを。
赤飛虎:…くっ……
心宿:いくら二重三重に暗示をかけていようと、最初から通じていなければ意味はない。
違うか?
赤飛虎は何答えられなかった。
心宿:フッ…もはや万策尽きたようだな。私もいい加減飽きてきたところだ。そろそろ終わりにさせてもらうぞ。
言うが早いか、心宿は赤飛虎のみぞおちに拳を叩き込んだ。
赤飛虎:かはっ……
赤飛虎の顔が苦痛に歪む。
だが、心宿はそこからさらに拳に力を込め、赤飛虎の腹部を貫いたかと思うと、
心宿:消えろ!
掛け声とともに、拳に集めた蒼い気を、赤飛虎の内側から外へ一気に放出した。
蒼い光に包まれ、赤飛虎が溶けるように爆散していく。
今後こそ本当に赤飛虎の最期であった。

心宿と赤飛虎の戦いを固唾を呑んで見守っていた青龍七星士達は、しばらくは誰も口を利かなかったが、
角宿:お……お………おおおおおおおおおおおおおおお!!!
角宿が歓喜の雄たけびを上げたかと思うと、他の七星士もそれに続くかのように、
箕宿:やれやれ…一時はどうなることかと思ったが、さすがは心宿様。
氐宿:それでこそ私の心宿です。
それぞれに心宿の勝利をかみ締めるように喜んだ。
ただ1人、房宿だけは依然として暗く複雑な表情を浮かべたままだった。
房宿:(心がないなんて…嘘……そうでなければ、あなたはあの時私を……)
幼い頃、心宿に助けられたことのある房宿にとって、彼に人の心がないと言われることは堪えがたいことであり、認めたくないことでもあったのだ。
だが、そんな房宿の心中など当の本人には知る由も無く、心宿はただ一点だけを氷のように鋭く冷たい眼差しで見据えていた。
いつの間にそこに現れたのだろうか?そしていつからいたのだろうか?
心宿の視線の先……そこにそれらはいた。
仲達…そして、赤飛虎と同じ武神と呼ばれる「五虎神」が4人。
彼らは仲間である赤飛虎の敗北などまるで意にも介さないように、威風堂々と佇んでいた。
そして心宿と仲達は互いに激しくにらみ合う。
その場にいる誰もが新たな戦いの始まりを予感せずにはいられなかった。

  エピローグ 2人の魔人

黄尸虎(おうしこ):むう…まさかあの赤飛虎がこうむ容易く敗れ去るとは。あの心宿という男、まさに鬼神のごとき強さよ。
黒瘴虎(こくしょうこ):だが、奴の真に恐るべきところは、あの赤飛虎の暗示が一切通じなかったことだ。心がないと言うのも案外真実やもしれん。だとすると、これは思いのほか厄介だ。奴には人の持つ心の弱さや甘さが一切ないと言うことだからな。
2人の言葉に何を思ったのか、虚空が音もなく前に歩み出る。
だが、
仲達:はやるな虚空。今、我々の力をここで見せるのはまずい。
虚空は仲達に制止されると、小さくうなずき、おとなしく言うことに従った。
だが、その表情はどことなく不満気に見える。
仲達はそれを知ってか知らずか、「フッ」と軽い笑みを浮かべると、
仲達:だが……面白いではないか。龍の子との戦いの前に、思わぬ余興が飛び込んできたものよ。
心底楽しそうに呟いた。
その表情は、既に赤飛虎を失っているにも関わらず、絶大な自信に満ち溢れている。
だが、そんな仲達を戒めるかのように、
大幻(ダーファン):そう楽観してもおれんがの。
突如、仲達の傍らに現れた不気味な老人が深刻な表情でそう語った。
仲達:大幻、貴様もここに来ていたのか?
仲達はさして驚いた様子も見せず、また大幻の方を見ることもなく、さもそれが当然であるかのように普通に問いかけた。
だが、大幻はその問いには答えず、
大幻:あやつはお主によく似ておるよ。生い立ち、生き様、思想、強さ………
仲達は黙って大幻の話に耳を傾けていた。
大幻:そして何より………奴もお主と同じ「破凰の相」を持っておる………
なっ……!!
大幻の言葉に、さすがの「五虎神」達も驚愕せずにはいられなかった。
仲達も心なしか、驚いた表情を見せる……が………
仲達:ほう…それはそれは……
すぐさま先程と同じ笑みを浮かべたかと思うと、一転して真剣な表情となり、
仲達:では、奴の目的も……
大幻:うむ。おそらくは我らと同じであろうな。
大幻の言葉に、またもや不敵な笑みを浮かべるのであった。
だが、大幻の話はなおも続く。
大幻:それともう1つ。奴には気になることがある。
仲達:ほう…おまえでも分からぬことがあるとはな。
大幻:うむ。奴には「破凰の相」もそうだが、加えて何か強大なものが背後に憑いているように思えてならんのじゃ……。
その一言に仲達の表情が険しくなる。
大幻:あれは……そう……
大幻は前方で毅然として立っている心宿をマジマジと眺めながら、
大幻:天帝と対極の存在であるあの……
そう言いかけて沈黙した。
仲達:フッ…何を言い出すかと思えば……
仲達には大幻が言わんとしていることを理解したのか、それを一笑に付した。
だが、仙人である大幻には確かにそれが見えていた。
心宿の背後に人ならざる巨大な影が、全てのものをあざ笑うかのように見下ろしているのを。
仲達:だが、なんにせよ、今はまだ互いに戦う時ではない。
大幻:その通りじゃ。お主にはまだやるべきことと戦うべき敵がいるのじゃからな。
それはあの心宿とて同じこと。お主にとって龍の子がそうであるように、奴にも戦うべき宿敵がおるようじゃからな。
仲達:ほう……奴にもそのような敵がいるとはな。そう言えば、鬼がどうとか言っていたようだったが………。
大幻:おそらくは他の七星士のことじゃろうて。
仲達:なるほど…。では、我らが再び相まみえるのは互いの敵を倒した時……ということになるか………
大幻:うむ。
大幻がこくりとうなずくと、仲達はくるりときびすを返し、その場を去っていった。
すくざま、4人の「五虎神」も仲達の後に続く。
ただ、虚空だけが未だ未練があるのか、曇った表情を浮かべていた。

心宿:去って行ったか。
心宿は仲達たちの後姿を、ただただジッと眺めていた。
いつの日か、奴と再び対峙する時が来るだろう。
だが、その前に…………
心宿と仲達、両者は互いにそう思いながら、来るべくその日を想像しては、不敵な笑みを浮かべるのであった。
                           完
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  【補足説明】

・舞台  

あんまし深く考えないで下さい(笑)

・時間軸

 『ふしぎ遊戯』  
亢宿が死んでいて尾宿がまだ生きていることからも、KC8巻辺りの頃。

 『龍狼伝』
赤飛虎が龍の子である志狼(しろう)と戦っていることからも、KC7巻以降~
赤壁の戦いの前辺りの時期。
ちなみに、「五虎神」の構成は、赤飛虎、黄尸虎(おうしこ):黒瘴虎(こくしょうこ)、
白冥虎(はくめいこ)、虚空の5人であり、青龍(鳳凰)は含みません。
青龍を入れるとややこしくなりそうだったんで……

・なぜ青龍七星士は赤飛虎が暗示が得意なこと等をあらかじめ知っていたのか?

念のため言っておきますが、この企画は、
適当にピックアップしたキャラから最強を決めようのコーナーから派生したもので、
一応設定としては、赤飛虎も心宿もそれまでにエントリーされたキャラの誰かを倒し
勝ち上がってきているというもので、その過程でお互いの手の内もある程度知れてる
ということで、ご理解いただきたいと思います。

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 【おまけのあとがき】
いや~ようやく終わったわけですが、いかがでしたでしょうか?
正直、原作のイメージを損なわないように書くということがいかに難しいかを痛感
した次第でして、そう言いながら自分でも「そりゃねーわ」と思ったり、
「こいつはこんなこと言わない」と思うようなことが読み返すとチラホラとあるというのが
現状です。
 例えば、赤飛虎の性格や言葉遣いだとか、解説役の箕宿だとか、
やたらかっこ良さ気な氐宿だとか、心宿が念動力で刀を振り回し、空破山放ったりとか
………etc。
まあ、そうは言っても、この『ふしぎ遊戯』と『龍狼伝』を両方とも知ってる方なんて
あんまりいなさそうなので、杞憂なのかなあという気がしないでもないですが、
もし、両方知っている方がいらっしゃれば(どっちか片一方だけ知っている方、
両方とも全然知らない方でもOK)、ご意見、ご感想をお聞きしたいなと思う、
今日この頃です。

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