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2008年9月24日 (水)

J影虎、後片付けをするの巻

 周囲を見渡すと、後片付けを始めているサークルがチラホラと目に入った。
そうか。当然のことではあるが、これが終われば後片付けがあるんだよな。
私はしみじみとそう思い、そしてある考えが浮かんだ。
そうだ、折角だからお手伝いしていくか。
うん。第一、こんな中途半端なタイミングで、「じゃあ、あっしはこれで」
と帰ってしまうのもなんだかバツが悪いし、ここまできたらもう最後まで見届けてやれ
という気にもなるってものだ。
私はそう思うと、ムーさん達の手伝いをすることに決めた。

 だが、ただ手伝うのもいささか芸がない。
ここはやはり、フェニックス一輝とかタキシード仮面みたく、
絶妙にGoodなタイミングでかっこよく颯爽と現れ、さりげなく手伝おう。
そう思うと、私その場から少し離れた場所へ移動し、タイミングを計るべく
じっとその機会を窺うことにした。
それは傍からだと、『巨人の星』に出てくる秋子姉ちゃんが、弟の飛雄馬を
木陰からじっと見守るかのように見えたことであろう……多分……。

 しかし、世の中には空気の読めない奴というのはどこにでもいるもので、
その時、そんな無粋な輩が私の背後に静かに忍び寄っていたのであった。

 何奴?
影の気配を感じるが早いか、私は振り向いた。
すると、そこには運営スタッフが神妙な顔をして立っていた。
ゲェー!!このパターンはまさか……
私の不安どおり、彼はおもむろに私に対してこう言った。

 動いてください

ハァ~やっぱり…
私はあからさまにため息をつき、無言でその場から立ち去った。
そうでした。コミケでは立ち止まってはいけないんでした。
私が悪うございました!
半ばふてくされながら、内心私は、さてどうしたものか?
と策を練った。
こうなってしまっては、フェニックス一輝やタキシード仮面みたく、
絶妙のタイミングでかっこよく登場することは至難の業だ。
 だとすれば、最低限さりげなく手伝う。これだけは成し遂げなければならない。
あくまで「さりげなく」というところがポイントだ。
最初からあからさまに「手伝いまっせ」という気満々だと、逆に気を使わせてしまう。
自らは手伝う気満々でテンションを高めつつも、かつそれを相手に気付かれることなく
また気を使わせることもなく、最終的には無意識に「私が手伝った」という事実のみを
相手に認識させる………。
そういう風に仕向けなければならない。

 だからこそ、あくまで「さりげなく」やるというところが重要なのだ。
こういうのを何と言ったっけか?
私の脳裏にあるフレーズが浮かび上がった。

 ギンギラギンにさりげなく

私の脳内にエリクトリックサンダーが走った。
そうか!そういうことか、リリン。
マッチさん、オレ、やっとわかったよ。
ギンギラギンにさりげなく
その言葉の本当の意味。

 つまり、さっきも述べたように、男はギンギンギラギラ闘志を燃やしつつも、
それを表に出すことなく、何事もさりげなくやり通せ………
と、そういうことですね?
もっと分かりやすく言えば、男は余計なことをウダウダ言わず黙ってやれ!
と、そういうことですね?

 いや、知らんけどね(笑)。
でもまあ、私の中ではそう解釈するとしましょう。

 こうしてふっ切れた私は、彼らと再び合流し、さりげなく他愛もない話をしながら、
その時が来るのをひたすら待った。
そして、その時は程なくしてやってきた。
終了の時間が何時だったのか?
それは定かではないが、ともかく終了の時を迎えると、各サークルは売れ残った本を
宅配便で発送しなければならないのだそうだ。

 なるほど。売れ残った本はどうするのか?
まさか各自持ち帰るわけでもあるまい。
完売してしまえば関係ない話なんだろうけど、実際問題それは相当難しいだろうし…
と疑問に思ってはいたが、こういう風にやってたんですね~。
1つ勉強になりました。

 まあ、そんなわけで、売れ残った本をダンボールに詰め込み、
トラックまで運ぶ作業をお手伝いしたわけですが、
さりげなくやってたつもりだったのに、なぜかムーさんにはもろばれ状態であり、
何度も何度も感謝の意を述べられ、ついには、「オレ、何もお礼できませんけど…」
とまで言われてしまい、なんだか悪いことをしたような気になってしまいました。

 いかん。もろに気を使われている。
こんなはずじゃなかったのに……。
何とかせねば。
何か、この状況に相応しいセリフを……。
私は急いで脳内にある膨大なセリフ集に検索をかけた。
その結果、いくつかヒットしたので、私はそれらを1つずつ急いで吟味し始めた。

 1.勘違いするな。オレは別におまえを助けたわけじゃない

うん。悪くはないし、間違ってもいない。
だが、ビミョーになんか違う気もする。
それに下手すると、この後に「おまえを倒すのはこのオレだ!」と言いかねない。
そうなってしまってはもはやなんのこっちゃ分からなくなる。
よって却下。

 2.べ…べつに、あんたのためにやってるんじゃないんだからねっ!

うん。これも悪くない。
ただ、あからさまなツンデレ振りをここで発揮するのもいかがなものか?
第一、それを実際に言う勇気はない…。
まあ、それを言ったらさっきのもそうなんだけどね。

 …で、結局は、「別にいいよ」とかなんとか、そんな何の面白みもない返答しか
出来ませんでした。はい。
今だったら、どこぞの野球部のマネージャーみたく、
「やりたいんだからやらせなさいよ!」とか言ってみたいところなのだが、
上記の理由から、これも今のところはまだ無理だろうなあ。

 とまあ、そんなわけで、無事に手伝いを終えた後、
私は彼らと別れ、会場を後にしたのでした。

…こうして祭りは終わりを告げた。
だが、私の戦いはまだ終わらない。
東京に来た真の目的。
それを果たすまでは休んでなどいられない。
私は疲れと空腹に苛まされながらも、かの地へと向かい、再び歩き始めるのであった。

                         つづく

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 【次回予告】

祭りは終わった。
だが、J影虎の戦いはまだまだ続く。
しかし、それは極めて困難で過酷な茨の道であった。
次回、「もう1つの結末」
あなたは、信じられますか?

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 【猫でも行けるコミケ指南】

12. フェニックス一輝やタキシード仮面みたく、誰かのピンチにタイミングよく颯爽と現れて救うなんてこと、現実にはほぼ無理。

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